神々の黄昏の時代
エイジアの民に伝わる《ジン》
それを探す首都の民

《ジン》とは?サイタンとは?

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あらたな訪問地
 3人は首都へもどった。惑星の裏側だろうが数時間でもどれるので、島に泊まる必要はなかった。
 あの白い会議室で、トーダは地図を解析機にかけた。
「ウノの言う島からアテヒトの流れ着いた村への海流を辿ろう。その海流の行き先のどこかにエトーがいる。」
「生きている、と思ってる?」
 アテヒトがつぶやくと、トーダは一瞬の間を置いてうなずいた。
「サオ・ハも?」
 トーダとデンもサオ・ハの方を振り返った。
 サオ・ハは何も言わなかった。
 しばらく経ってからつぶやいた。
「わたしにはまだ何も感じられない。ただ・・。」
「ただ?」
「いや。なんでもない。」
 黙ってしまったサオ・ハをいぶかしく思ったが、トーダは気を取り直して立ち上がった。
「とにかく今出来ることは他にない。明日また探索に出る。今夜はゆっくり休むんだ。」

 まだ熱気を帯びたような頭を、静かに横たえながら、アテヒトは今日を振り返っていた。
「サタ・エージン。エトー・セン。・・アテヒト。」
 知らぬ間に寝入っていた。
[だから言ったんだ。見せてみろ。]
[痛い!]
 誰かに抱きかかえられて、運ばれた。
 木から落ちた時だろうか?
 あれはエトーだったのか?

 翌日、海の上を多く飛んだ。
 夕べの夢を思い出しながら、アテヒトは窓の外の果てしない大海を望んでいた。
 海流に沿って、点々と連なる島々に丁寧に降り立っていく。
 ふいに飛行艇の速度がゆるんだ。旋回した。あらたな訪問地だ。
「寄るぞ。」
 降り立ったのは、今までで一番小さい島だった。
「人はいるんだろうか?」
 アテヒトが言うと、トーダは首を振った。
「さあな。」
 降りられる浜はないので、島の頂上の森の中にごく小さく開けた空間に降下した。
「これは人を探すのが大変だ。無人かもしれないな。」
 デンがつぶやく。
「エトーは元々そういうところで脈々と続いてきた一族だ。かえってこういうところの方が可能性は大きい。水場を探そう。」
 サバイバル・トレッキングの好きなデンが、植生や土を見て水場を探した。
「たぶんこっちの方だ。」
「デンが選ばれたわけがわかったよ。」
 アテヒトがそういうと、デンは目配せした。
「言ったろ?オレは普通の人間の代表だよ。」
「普通に人間がみんなこうじゃないさ。」
「いや。趣味嗜好はどうでもいいんだ。普通の人間っていうのは・・。」
 デンがそう言った時、サオ・ハが「静かに」というようにふたりを引っ張った。
 4人は身を低くして、一切の物音を立てるのを止めた。
 しばらくしてアテヒトがしびれを切らせてサオ・ハに問おうとした時、枝を踏む微かな音がした。
 現れたのは鹿だった。
 鹿は、しばらく森の様子をうかがっていたが、やがて踵をかえして急斜面を下っていった。
 サオ・ハが合図した。
 4人は鹿の後を追った。
 鹿が降りていった窪地に、小さな泉が湧いていた。
「あったな。」
「人がいるとしたら必ず水場のそばだ。」
 うなずいたアテヒトの目に、あるものが映った。
「ほら、これ。」
 柔らかくなった土の上に、人らしき足跡がある。
「辿ろう。」
 足跡はすぐに見失ったが、サオ・ハが指を差した。
「こっちだ。」
「なにかわかるか?」
 トーダが聞くと、サオ・ハはうなずいた。
「鹿でないものの気配がする。」

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